2020年5月、石油鉱業連盟会長に就任いたしました北村俊昭です。会長就任にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
当連盟は1961年11月に設立以来、わが国のエネルギー安定供給の要の一翼を担う石油・天然ガスの自主開発の推進を任務としており、石油・天然ガス開発事業推進に係る種々の政策提言を行っています。具体的には、石油・天然ガスの産出比率が極めて少ないわが国において、国内陸域及び周辺大陸棚の探鉱・開発の促進により、自給率の向上を図るとともに、海外でのいわゆる「自主開発」比率の拡大を目指して、当連盟会員会社による事業推進や優良なプロジェクトの発掘への後押しをするとともに、熾烈な資源獲得競争を勝ち抜くため、民間ではカバーしきれない部分について、リスクマネーの供給や資源外交をはじめとするわが国政府・関係機関に対する各種支援及び大学研究機関の協力をお願いする活動を行っております。
近時の中東情勢の緊迫化、米国のプレゼンスの増大等、エネルギー資源を巡る地政学的な変化・リスクの増加や各国における経済安全保障意識の高まり等の世界的な潮流変化の下、将来においても世界のエネルギー供給の過半を占めると見込まれる石油・天然ガスの安定供給確保は、引き続き極めて重要な課題であります。こうした状況の下、わが国におけるエネルギーの安定供給を実現していくことが、当連盟、また会員各社の社会的使命であると認識しています。
現在、当連盟会員会社を取り巻く環境は、原油価格の下落を受けて大変厳しい状況にあります。業界全体として、経営基盤の強化に向けて投資抑制やコスト削減をはじめとして様々な取り組みがなされている一方で、国際的にはこうした業界全体の投資抑制の動きが、将来のエネルギー需給バランスに大きな影響を与えることが懸念されています。
他方で、気候変動問題に端を発する世界的な化石燃料に対する評価見直しの動きは、今後も加速し続けていく流れにあります。当連盟といたしましては、今後も石油・天然ガスがわが国のみならず世界の主要なエネルギー源としての地位を担い続けていくためにも、気候変動問題は化石燃料を取り扱う業界全体の課題として受け止め、真摯に対応してまいります。
当連盟会員会社を始め、経済産業省ならびに関係団体などの皆さまにおかれましては、日ごろからのご支援とご協力に対して、心より御礼申し上げますとともに、引き続き,皆さまのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
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2020年5月
会長 北村 俊昭
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